長期投資家・白蜜の思考回路

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【投資】企業分析・キヤノン株式会社(2021年4月時点)

こんばんは、白蜜(しろみつ)です。

 

今回から定期的に企業分析をやっていきたいと思います。

あくまで長期投資家の目線からの注目ポイントを解説していきます。

 

最初はキヤノン㈱(証券コード:7751)

【注意点】

僕はキヤノン㈱の株式を保有しています。 

できるだけ公平な視点で分析しているつもりですが、そのことを踏まえてご覧ください。

 

 

参考URL

投資家情報 | キヤノングローバル

 

キヤノンは今年からセグメントの名称および構成が変化しています。

【旧】オフィス、イメージングシステム、メディカルシステム、産業機器その他

【新】プリンティング、イメージング、メディカル、インダストリアルその他

 

(ポイント)

インクジェットプリンタがイメージングシステムからプリンティングに変更

ネットワークカメラが産業機器その他からイメージングに変更

 

【2021年1Q のポイント】(単位:億円)

(2019年→2020年→2021年、1Q比較)

・売上高

8645→7823→8427

・営業利益

404→329→706

・純利益

313→219→445

 

コロナ禍以前の2019年に比べて、売上高はまだ届いていませんが利益ベースでは大きく超えています。

 

【セグメント別】

1Q時点の比較ではプリンティングが前年同期を下回っていますが、それ以外のセグメントは上回っている。

年間見通しでは全てのセグメントで前年上回る見通し。

 

【キャッシュフロー】(単位:億円)

(2019年→2020年→2021年、年間比較)

・営業CF

3585→3338→4000

・フリーCF

1299→1784→2000

 

キャッシュフローに関しては既にコロナ禍前を大きく上回っており、今後も安定したCFが期待できます。

 

【その他】

・配当

年間80円(2020年)→90円(2021年)に増額

配当利回りは3.47%

2019年の配当額(160円)にはまだ遠く及びませんが、今後も配当を重視していく姿勢を示したことは評価できます。

 

 

【長期投資家目線での注目ポイント】

2018、2019年と苦しんでいたキヤノンですが、コロナ禍を機に構造改革を一気に進めた効果が表れ始め、その効果が本格的なものになりつつあることが読み取れる決算となりました。

 

プリンティングやイメージングのセグメントは市場の縮小を理由として悲観的な見方をする人も多いです。しかし、一定の底堅い需要があるのでいわゆる「残存者利益」をキヤノンが獲得できる可能性が高いこと、厳しい市場環境の中でもしっかりと利益を獲得できていることを考えると、今後もメインの稼ぎ手として計算できると考えます。

 

また、この2セグメントで培った技術をメディカルやインダストリアルその他に応用できることを考えると、非常にいい循環が始まりつつあると言えます。

 

プリンティング、イメージングの2つのセグメントにおいて、高いブランド力を保持している。

成長分野であるメディカルや半導体製造装置の売上増加が見込まれる。

以上のことから、優良高配当株として非常に魅力的な企業であると考えます。

 

今後は潤沢な手元資金の確保、高水準の設備投資額の維持、配当金の増額といった課題についてバランスを取りながら実行できるかどうかがポイントとなります。

現状では設備投資額<減価償却費となっているのも気がかり。

 

【長期投資レーティング】

4点 / 5点満点

 

非常に高いブランド力を備えているが、技術革新のスピードが速い業界であるため長期的にはシェアが減少するリスクを常に内包していると考えて、レーティングは4点とします。

 

今回は以上です。

次回もぜひご覧ください。