こんばんは、白蜜(しろみつ)です。
「その1」から2ヶ月以上経ってしまいました(涙
今回は資産配分について書いていきます。
前回の投資教室で「初心者の方は投資信託を買いましょう」と書きました。
しかし、投資信託とひとことで言っても株式、債券、REIT、複合型など色々な商品があります。
今回は投資信託の投資対象となっている株式、債券などのアセットクラスに着目して、どんな資産をどのくらいの割合で買えばいいのかということについて解説します。
今回解説する資産配分は、いつか個別株やETFを買うようになった時にも役に立ちますので、ぜひ最後までご覧ください。
1.最初は株式型のインデックスファンドを買おう
初心者の方が最初の1本として選ぶのは株式型のインデックスファンドがいいでしょう。
その理由としては・・・
値動きの理由がわかりやすい
これに尽きると思います。
どんな投資信託を買ったとしても、短期的には価格(投資信託では基準価額と言います)の上がり下がりが必ずあります。
もし買った直後に価格が下がったとき、値動きの理由が明確なら我慢して保持しつづけることも容易ですが、理由がわからず下げている時はなかなか保持しつづけることができません。特に投資経験の浅い方はとてもストレスに感じてしまうでしょう。
というわけで最初の1本は株式型インデックスファンドが良いです。
例外として、値下がりのリスクを極力抑えたいという方はバランス型ファンドにするのもアリです。
投資未経験者の方は資産が減っている=含み損がある状態に対して、非常にストレスを感じる傾向があります。ストレスを感じながら投資信託を保有するのはとてもつらいので、そのストレスになれるまでは低リスクのバランス型ファンドを保有するのも良いと思います。
バランス型の中でも特にリスクを抑えた「安定型」というカテゴリがありますので、そのようなファンドがオススメ。
個別の投資信託の評価については、また別の機会にお話しします。
2.株式型インデックスファンド・・・地域は?
ここまで、最初の1本として株式型のインデックスファンドをオススメしました。
ところが一言で「株式型」と言っても、投資対象地域によって投資信託の商品としての性格がやや変わってきます。
大まかな区分で言うと、以下の5つに分かれます
○日本
○米国
○先進国全体
○新興国全体
○全世界
1つずつ簡単に解説します。
○日本
日本株のみのインデックスファンドはオススメしません。
低い利益率(ROEなど)、硬直的な労働市場、コーポレートガバナンスに問題がある等々の理由から(最近は好調ですが)長期的な株価上昇余地に不安が残ります。
また、日本株のインデックスファンドはいわゆるブル型、ベア型などのギャンブル的な商品が多く、初心者が手を出すにはあまりにリスキーだと僕は思います。
○米国
オススメの1つ。
米国のダイナミズム、成長余力に魅力を感じるなら最有力な選択肢です。
不安点をあげるとすれば、GDPでみると近い将来に中国に抜かれることが確実であることです。世界一の経済大国ではなくなり、基軸通貨(ドル)の発行国としての存在感が薄れていくことが懸念されます。
しかし、個人的にはあまり心配はしていません。たとえ中国が世界一の経済大国になったとしても政情不安や外交・軍事面での不安定さ、恣意的な制度変更などのリスク要因があまりに多いため、世界中のベンチャー企業は上海市場ではなくNY市場での上場を目指すと考えるからです。
GDP総額では中国に追い抜かれたとしても、自由主義陣営の中心地としての米国の重要性は維持されると考えます。
最後に・・・細かい話ですが
米国株式のインデックスファンドには米国株式全体、S&P500、NASDAQの3種類がありますが、どれを選ぶかは好みの問題です。
米国株式全体→銘柄数が多く分散効果が高い、小型株多し
S&P500→優良な大企業が多い
NASDAQ→将来大きく成長しそうな企業が多いが値動きは大きい
リスクを取ってでもリターンを追求したい人はNASDAQを検討してもいいかもしれません。
初心者は米国株式全体かS&P500から始めましょう。
○先進国全体
「先進国全体」と言ったときに日本を含むものと含まないものとがありますが、ここでは両者を一体として解説します。
先進国株式を対象としたインデックスファンドも悪くはないですが、中身を見ると多くを米国株式が占めることやEU・ユーロの将来像がやや見通しづらくなってきたこと、イギリスとEUとの関係性などの不安要素を考慮すると、米国のみの方が魅力的な投資対象に見えます。
米国株式型よりも有力な選択肢になり得る状況としては、先進国と新興国とをある一定の割合(5:5とか6:4とか)で保有したいと考える場合です。そんな人は先進国株式型のインデックスファンドの購入がいいかもしれません。
○新興国全体
新興国の魅力は経済の成長性の高さです。一方、不安要素はまだ経済の基盤が強固ではないので、(今回のコロナ禍のような)パンデミックなどの危機に弱いこと。特に通貨がドルに連動しているような国ではその傾向が顕著です。
ただ、長い目で見れば新興国経済の成長性は先進国の比ではないです。
しかし、ここで注意すべきなのは高い成長性を有しているのは「新興国経済」であって「新興国株式」ではないということです。
かつて米国株式のパフォーマンスが低迷し、新興国株式の株価が大きく値上がりしていた時期があり、新興国株式への投資がブームになりました。しかし、その後はブームは去り、新興国株式のパフォーマンスも冴えないものとなっています。その間の新興国経済は大きく成長しているにもかかわらず、です。
高名なジェレミー・シーゲル教授は著書「株式投資の未来」の中で、ある国の経済やある企業の業績の成長率とその国または企業への投資に対するリターンが比例しないことを実証的に証明しています。
つまり新興国経済の成長性が高いからと言って、新興国株式への投資が高い収益をもたらすとは限りません。
以上のことから、新興国経済の高い成長性を期待して投資するのは良いですが、最初に買う投資信託としては不向き。先進国株式の投資信託と組み合わせるなら選択肢に残ります。
○全世界
全世界株式型も先進国と同様に日本を含むものと含まないものとがありますが、ここではまとめて解説します。
全世界株式型の良い点は、1本で世界中の株式市場に投資ができるということ。シンプルで管理もしやすい。
良くない点は、値動きの理由がわかりづらい時があり、その場合はマンスリーレポートや日々の経済ニュースなどを見て自分で分析する必要があること。また、国ごとの比率がほぼ固定されており自分の好みに合わせて変えられないこと。
全世界株式型のインデックスファンドを購入することで、ある程度の分散を図りながら新興国の成長性と先進国の安定性と両方を享受できるのが魅力ですね。
3.次回(本論)につづく
長くなりすぎましたので、この続きはまた次回。
投資教室その3、資産配分 本論でお会いしましょう。
ぜひ読んでください。