こんばんは、白蜜(しろみつ)です。
今回は、米国高配当株ETF「SPYD」が減配したことについて解説します。
・なぜSPYD(だけ)が減配したのか
・なぜSPYD(だけ)が基準価額が低いのか
・他の高配当株ETFも減配リスクがあるのか
ということについて解説しますので、最後までお読みいただけるとうれしいです。
SPYDが減配した理由
SPYDの2020年9月期分配金が大幅に減少することが明らかになりました。
(公式HPにはまだ未掲載です)
いま出回っている情報によると前四半期(2020年6月期)よりも約28%、前年同四半期よりも約40%少なくなるそうです。
これにより利回りが約3.7%となりました。
(今までは5%を超える水準でした。)
SPYDが減配した理由としては以下のようなものが考えられます。
1.リスクヘッジをしていなかった(後述)
2.コロナ禍やその後の超金融緩和政策の影響を大きく受けるセクターの比率が高かった。
具体的には…
金融セクター 23.5%
不動産セクター 18.7%
この2つで40%を超えています。
ちょっと偏りすぎかなと思いますね。
SPYD,HDV,VYMの特徴
米国高配当株ETFと言えば有名なのは
SPYD、HDV、VYM
この3つではないでしょうか。
ものすごく簡単に3つの特徴を解説します。
【SPYD】
S&P500という指標に含まれる500社の中から、予想配当利回りの高い80社の株を均等に組み入れます。
ポイントその1
銘柄選別基準は予想配当利回りのみであるという点。
S&P500というとても厳しい基準をクリアしているのである程度優良な企業から選んではいるものの、500社もあるのでその中には今後の見通しが厳しい企業も含まれます。
その中から予想配当利回りのみを基準に選んでいるので、基準価額の下落リスクや減配リスクは高くならざるを得ません。
例えば…配当は変わっていないのに株価が下落→利回り増加というケースだと、株式市場は今後の業績について悲観的な見方をしているのに、利回りが増加したためにSPYDはポートフォリオに組み入れた可能性があります。
ポイントその2
選んだ銘柄を均等に買い付けるという点。
その企業の業績や時価総額などの要素をすべて無視して均等に買い付けています。
したがって、各企業の比率は全て100÷80=1.25%となります。
企業の今後の業績見通しや財務状態などすべて考慮せずに均等買い付けしているので、リスクは高くなります。
【HDV】
モーニングスター配当フォーカス指数に連動するパフォーマンスを目指しているETFです。
運用会社であるiシェアーズの公式HPによると、「配当水準が比較的高位の米国株式で構成される指数」とのことです。
この指数は「財務の健全性が高く、かつ持続的に平均以上の配当を支払うことができる」75社で構成されています。(出典:iFinance - 金融情報サイト)
そしてHDVの保有銘柄数も75となっております。
銘柄数は少ないですがターゲットとしている指数がある程度絞り込んだものなので、リスクヘッジはできていると思います。
ちなみにセクター別ではヘルスケアとエネルギーが多めです。
【VYM】
「FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス」という指数に連動するパフォーマンスを目指したETFです。
大型株かつ配当利回りが市場平均を上回っている銘柄を中心に組み入れています。
銘柄数は約420。
大型株がメインということで中小型株に比べて倒産リスクは低め、そして400以上もの銘柄を組み入れることでリスクの分散化を図っています。
セクター別では金融、ヘルスケア、消費財が多めですが、他の2つに比べて特定のセクターへの偏りはそんなにありません。
まとめ
SPYDは配当利回りのみを銘柄選別の基準にしているので、見た目の利回りは高めだがやや高リスク。
HDVは財務状態のよい企業を組み入れるのでリスクは少なめ。ヘルスケアとエネルギーセクターにやや偏重。
VYMは組み入れ銘柄数が多いのでリスクが低い。セクターの偏りもあまりない。
こんな感じでしょうか。
ちなみに3つとも今回のコロナショックで大きく基準価額を下げましたが、SPYDは他の2つに比べて価額の戻りが悪いです。これもセクターの偏りや財務状態の悪い企業が多く含まれている影響だと僕は思います。
今後、HDVやVYMも減配のリスクはあると思いますが、SPYDに比べればリスクは小さいと思います。
そういう意味ではSPYDはややギャンブル的な要素が含まれるのではないかと僕は考えています。
もしこの3つの中から僕が買うとしたらVYMを選びます。
理由は、高配当株ETFにはなによりも安定性を求めたいからです。
HDVはエネルギーセクターの比率が高い点がやや不安です。
ここらへんは好みの問題だと思いますけどね。
今回はここまでです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このブログが、みなさんの投資先選択の参考になれば幸いです。
P.S.
投資は自己責任でお願いします。
<(_ _)>