こんばんは、白蜜(しろみつ)です。
2021年8月現在、いまだに世界を騒がせている新型コロナウイルス。
我が国における新型コロナの問題点をあらためておさらいしてみましょう。
1.「医療提供体制の逼迫」とはどういう状態か?
一般的によく言われる「医療提供体制の逼迫」や「医療崩壊」とはどういう状態のことを言うのでしょうか。
簡単な数式で表すと…
(患者数)÷(病床数)
ということです。
患者数は「入院が必要な患者数」や「陽性者数」と言い換えても、本質的な違いはありません。
この数式で表される数値が1を超えると、入院が必要であるにもかかわらず入院できない患者がいるということなので医療逼迫または医療崩壊と言っていいでしょう。
2.「陽性者数が多い」は本当か?
まずは下の図を見てください。
これは、国ごとに直近7日間の平均陽性者数(人口100万人あたり)のグラフです。
日本のグラフはどうでしょうか。
確かにここ最近は急激に増加していますが、ドイツ以外の国は日本よりもはるかに多いです。そのドイツも少し前までは日本よりもはるかに多かったことが分かりますね。
つまり、過去最高の陽性者数を出している現在においても、国際的に見れば日本の陽性者数は決して多くはないことが分かります。
3.コロナ専用病床はどのくらいあるのか?
そもそも日本全体でコロナ専用病床はどのくらいあるのでしょうか。
少し見づらい表ですが、ご覧ください。
参考までにURLも貼り付けておきます。
これは厚生労働省が行っている「新型コロナウイルス感染症患者の療養状況等及び入院患者受入病床数等に関する調査」の結果です。
令和3年8月27日公表のデータによると、日本全体では約39,000床のコロナ専用病床があることになります。
そもそも日本にはどのくらいの病床があるのか、ということについて見てみましょう。
こちらも厚生労働省が行っている調査で「医療施設動態調査」の結果です。
2019年10月のデータが最新のものになりますが、一般病床だけでも日本全体で約89万床もあることが分かります。
一般病床89万床のうち、コロナに割り当てられているのは39,000床しかないということです。
(割合にすると、5%未満です。)
一般病院の病床利用率は7~8割と言われており、現在はコロナによる受診抑制が起こっていることを考慮すると、89万床の3割である約27万床が空いていると考えられます。
その27万床のうち39,000床しかコロナ用に使われていないのです。
現在の39,000床を倍以上の80,000床に増やしてもまだ19万床の病床が空いている状態です。
4.まとめ
先ほどの数式をもう一度思い出してみてください。
医療逼迫を表す数式は
(患者数)÷(病床数)
でした。
(この数式の答えが1を超えると医療逼迫状態です。)
日本の患者数は外国に比べて決して多くないことは先ほど示しました。
日本には多くの病床があるのに、わずか5%未満しかコロナ患者のために利用されていないことも示しました。そして、現在は空いている病床が約27万床もあるのでコロナ専用病床を倍に増やしてもまだ病床にはゆとりがあることも併せて示しました。
みなさんはこれらの数字を見てどう思いますか?
日本が取るべき方策は①陽性者数を減らすために経済を止めることなのか、②病床数を増やして治療が必要な患者全員に適切な医療を届けることができるようにすることなのか。
もちろんAll or Nothingではなくどちらも必要な方策なのですが、いまの日本がやっていることのバランスがこれでいいのかどうか、ぜひ考えていただきたいと思います。
「ベッドがあっても医療従事者が足りない」というご意見の方もおられると思います。そういう人的リソースの問題については、また別の機会に解説します。
今回は以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。